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2025/03/11

近頃のお話

  5歳児夜寝る前の、「絵本」と「おはなし」。絵本は、こどものとも年中版程度のお話を一つか、かがくのとも一つ、リクエストで。最近はひらがなと「恐竜」と「宇宙」にはまっているので、子供向きの小さな図鑑を1章づつ一緒に読んでいる。見出しを坊が読んで、私が中を読む。恐竜の場合は、名前と全長と肉食か植物食かを坊が読み上げ、宇宙の場合は惑星の名前と地球からの距離と地球と比較した大きさを坊が読み上げる。

 お話は、ここ数か月「ピッピのおはなし」。リンドグレーンの「長くつ下のピッピ」から来ていて、最初は岩波少年文庫版から少しづつ読み上げようと思ったのだけど、お話は本を読むのとは違うのがいいらしい。あらかじめ読んで覚えておくには私の労力が持たなくて、結果的にほとんど創作になった。

 舞台はスウェーデンの小さな町。ピッピは10歳の普通の女の子だけど、赤と白の縞々のながくつしたをはいていて、世界一勇敢で力持ち。ここまではおおむねもともとの話通りなのではないかな?

 お話では、クラスメイトが登場する。名前があんまり北欧系じゃないのだけどグレッグはすごく足が速くてだいぶん怖がり。サリーは科学者。おばあさまが森の入り口に住んでる魔女。マリーは小さくて飲み物は牛乳一択、ニュースが好きで一度見たものを忘れない。ピートは8歳だけど飛び級で同じクラスにいて、働く乗り物や恐竜に詳しく数字が大好き。ダンはハッカー。おじさまが湖の近くに住んでいて、その湖は中海なので冬場に海賊が休みにくる。学校には中国陶磁器オタクのメアリ先生、ピッピのご両親はたぶん公務員かなにかで普通の共働きなのだが、おじさまが一人アメリカにいてセントラルパークを挟んでメトロポリタン美術館の反対側の高いマンションの5階の広いおうちに住んでいるのでこの子達は今ニューヨークに遊びに行っているところ。6人がふだんの学校で、あるいはお休みの日の市場で、ストックホルムで、湖や森の近くで、あるいはアメリカで、まんべんなく活躍して「事件を解決」する話を毎晩ひねり出しています。そこはかとなく「パウパト」に似ているけど、ポイントとしては彼らみんな携帯を持っていないのでそのあたりも特殊能力の生かしどころだったりする。あとリクエストに応えているうちに、毎度事件の犯人が猛省ののちアクロバティックな更生を遂げてめちゃくちゃ幸せになるので、そのあたりもお楽しみポイントになっている。これらの話は頭のなかの「ひきだし」から出てくることになっているのだけど、この「ひきだし」にはなかなか厳しい条件があり、1,おふとんに入ってのんびりした気持ちにならないと開かない。2,22時を過ぎるとその日の引き出しは閉まってしまう。注意が必要である。

2024/10/09

心の在り処

  昨日の夜の会話。

ー<坊>、可愛いねー

「うんー。でも<坊>、ママが<坊>を大好きなのよりも、<坊>がママを大好きなほうが大好きだよ」

ーそうなの?

「うん、それにね、あのね、パパが<坊>を大好きなのより<坊>のほうがパパ大好きなんだよ」

ー<坊>大好きたくさんあるんだね。

「うん、ちょっと、ぎゅーってしてママにも分けてあげようか」

ーこんなにぎゅーってしたら大好きなのなくなるんじゃない?

「だいじょうぶ、大好きは空から入ってくるから。空のほうにこころがあるの」

ーへえ!こころ、空にあるの!

「うん。こころがあって、大好きそこからくるの」

ー大好きのほかは?ほかにこころに何はいってるの?

「それは自分で考えてください」

2024/10/01

やっとほんとに秋だ!~さいこうどーなつ!

  夏休みの宿題を1個半、持ち越したまま10月に入ってしまった。運動会までには終わらせるぞ!とはいえ、秋は魅力的な罠がたくさんある。気を付けるのは特に以下の二点。

 1、紅玉を買わない。タルトタタンを自作する暇がないのだ。

 2、皮つきの栗を買わない。渋皮煮を自作する暇もないし、そもそも私にはうまく作れないのだ。どうしても栗気分が味わいたかったら生協で栗おこわの素を買うこと。

 3、でももらえちゃったらありがたくいただく!

 かわりに、新米をお祭り気分で楽しもうと思います。あとは、スイートポテトくらい子どもと作ろう。この本がとてもかわいくて好き。


 運動会で「さいこうどーなつ!」というワンピースの歌を踊るのだそうで、色々調べてみたらセカイノオワリの「最高到達点」であるらしい。いい歌じゃん。しかし近頃の主題歌ってこんなに内容にびったびたなものなのね。

 近年の複雑な音の作りの歌を知らな過ぎて、頭がついていかなくなると老化するな、と焦ってきたので、ひさしぶりにアマゾンミュージックのヴァージョンアップをして色々聴きながら作業したり、子どもと一緒に歌ったりしている。最高到達点は自分のいい応援歌になりそう。

2024/09/18

坊に着替えをさせる秘訣と若干のうしろめたさ、ではなく。

  近頃、朝の用意がスムーズにいく秘密の呪文を手に入れた。だいたい茶碗を洗うくらいのタイミングで坊に洋服一式を出して、こういうのである。

ーーここに服出てるけど、まだ着替えないでゆっくりしてていいからね~。あんまり早くしちゃうとママまだお化粧も茶碗洗いも終わってないから…。

 すると、早く着替えて!行くよ!だったらレゴから顔も上げない坊が

「ええ~~。でも早く着替えちゃおうかな!早く着替えたい!」

 といって、いそいそと着替え始める。

ーーえー、待ってよ!そんなにすぐ出発できないよ!

 なんて掛け声をかけちゃったらこれ加速する。仕舞いに、こうだ。

「ママ、〈坊〉は全部準備おわっちゃいました~!ママはまだー?」

 阿呆なのだ。それゆえに、何という可愛さ。

 その一方で、「だからなのか?」とも思うのである。今まで出会ってきた男子たちに対して感じてきたもの、大人でも子供でも、同輩でも先輩でも、同僚でも学生でも、なんだろう、度々「ほう…」と少しの違和感を残してそのたびに日常に沈んでいく、よくわからない鷹揚さとか自信みたいなもの。当然のことを終わらせただけなのに、なんだその「いい仕事しました!」感は、というか。あれ、結構ぎりぎりでフォローさせてたけど謙遜の言葉もないけど、それでいいんだ、みたいな。

 たぶんそれでいいのだ。悪気も全くない。ミスなんて覚えてもいない。だから彼らの表情は晴れ晴れしている。それが羨ましい。

 「インポスター症候群」という言葉は随分前に知ったけれど、女性に多いのだそうだ。詳しくは調べて頂いたらいいけれど、なんとなく自分が過大評価をされているけれど実力は伴っていないのではないか、自分はここにいていいのか、この仕事に値するのか、不安で仕方がなくなり、何かの拍子で詐欺師であることが明かされてしまうのではないかと感じる傾向。

 私くらいさんざん伸び伸び育ってもこいつにしばしば苛まれて、クォリティを上げるのに使えるはずの時間をメンタル快復に使う破目になる。コメントを求められたら反省を入れたほうが相応しいんじゃないかと思ってしまったり、ちょっとのせられると自虐ネタの一つもいわなければいけないような気分になる(京都にいた所為かも)(芸風もあるか)(いや、実力が実際に伴っていないのでは…)。いったいなんなんだろう。記憶を改竄というほどでもない、程よくハッピーなとこだけ残って自信たっぷりな奴らとやり合うには、こんな荷物、邪魔だ。

 というわけで、元は「毎朝、当然のことしてるだけなのに自信満々でハッピーなボーイを着実に製造してます」うしろめたさの話だったんだけどさ、これはいいことなのではないかと思い直したわけです。うん、どんどんやろう。

 むしろ、願わくば、もっと賢くて聞き分けがよく先回りして考えがちなお子たちであっても、誰にでも、当然のことをしてるだけなのに自信満々でハッピーなガールやボーイでいられる環境が与えられんことを。

2024/09/14

足元の話

  先日、3か月ぶりの美容院で「9月なのに暑いですねえ!」の挨拶ついでに、ビーサンから抜け出せなくて!と言ったら、「私も、9月1日だけスニーカーで頑張ってみたんですよねー、けどすぐ戻っちゃって」と自分と全く同じ行動なので笑ってしまった。九月最初の出勤日であった2日はローファーにしてみたのだけど、次の日からまた戻ってしまった。

 ビーサンは集合的概念で、実はビーサンじゃなかったりするのだけど、裸足で履けて楽ちんなサンダルなんでも。ヒールがあったりストラップが細すぎたりするのはたぶんちょっと違う。

 私は以前から少しだけ厚底のアリゾナ?(ビルケンの店で買ったのだがビルケンって書いていないので本当のところ何物かわからないが)を愛用してたのだが、今年の夏からTevaハリケーンを仲間入りさせてる。甲と踵と足首を三点で固定する面ファスナー式のEVAサンダルである。デザイン的に若すぎない?とあらかじめ妹に問い合わせたがOKとのこと。

 これ、めっちゃ軽いし、足の衝撃がうまいこと和らげられるので走れる。金属とか革とか使ってないから子供と水遊びするのにこれ以上ないし、マジックテープだから各種厚さの靴下に合わせて調整できる。ビルケンのソールが、いかにもドイツっぽい健康的気持ちよさに足の持ち主をやや矯正しようとしてくるのに対して、こちらは身も蓋もなく楽。さすが新大陸、しかも西海岸って感じだ。そういえばポートランド行ったときはみんなこんなん履いてたな。足首の前側を固定するのでやや足がむくむが、それすら調節で何とかできる。保育園の玄関もたもた度もローファーやスニーカーとそう変わらない。更にいいのが旅行にそのまま行けることです。もともと踵が固定されない靴で飛行機に乗るのは…と思っていたのが、年明けの事故をみてさらに機動力が大事だという気持ちを新たにしたところ、今回は飛行機の憂いなく、旅先でも暑いさなかに旅先で靴下とスニーカーを履く憂鬱から解放された。

 問題は季節であるが…。自分のルールとしては8月以外は「暑い」だけを理由にビーサンで仕事に来るのはちょっと…と思っていたのだが、いくつか抜け道を作ることにした。

1,夜25度、日中33度を超える日は8月とみなす。

2,足の爪をちゃんと塗ってたら「おしゃれのため」のビーサンと認める。

3,靴下をはいてたら「コーディネートの一部」としてのビーサンと認める。

これでいいっしょ。こうして暑い間さんざんだらだらさせておくからこそ、秋になった時に素敵なパンプスとか挑戦してもいいかなーって気持ちになるってもんです。