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2014/07/16

ダークナイトに舌を巻いた話

 不安定な天候の所為か、近頃大学に居るということ自体に疲れがちだ。今やってる個人プロジェクトがあまり図版を参照しなくていいタイプのものなので、学校の仕事が終わったら早めに帰って家でゆるゆると研究。今日は色々と面倒になってしまって、色々と面倒になった時の定番、インスタントラーメン野菜てんこ盛り。ラー油を振りかけて食べたらいい具合に汗かいてすっきりした。

 休みの間に観て思わぬ収穫だったのは『ダークナイト』と『ダークナイトライジング』。
 特に『ダークナイト』の方は「舌を巻いた」って感じ。出し惜しみなしに盛り込まれたプロットが職人技的にシャープに(そりゃあまるで優れた塗りの棗の合わせのように)閉じて完成していて、ジョーカーが抜群に悪くてぶれないし(彼が恐怖を喚起するテクニックが観客にも使われるので、実際に残虐なカットは無いのに随分痛かったし目をつぶった)、最後のトゥーフェイスも最高に禍々しい。バットマンの、「そりゃ身も蓋もないぜ」的な反則技すれすれのテクノロジー濫用と、論理と倫理の通じないとこにいる敵との接戦は、双方が技を繰り出す度に拍手をしたくなるぐらい予想を越えていて、とても楽しかった。

 アメコミヒーローモノは『アベンジャーズ』とか『キックアス』から裏口入門しているところだが、独特な文法をちゃんと押さえたらもっと楽しめるんだろうな。『スパイダーマン』なんかも。
 『ライジング』の方は話はすっきりしていたが、精神論っぽく湿っぽいのが難であった。ジョゼフ・ゴードン・レヴィットの顔は良かったけれど。あと敵が勝手に小物になるほど興が冷めることはない。