東大の先生でEテレの「100分de名著」の『ハムレット』に出てらした河合祥一郎氏が脚韻も名言のパロディも原作者以上に本格的にノリにノッて日本語にしちゃってるそうで、オープニングロールの♪ヤン!っぱぱぱーーーっっっぱぱぱーーーん…のとこが、以下。コロスの台詞(コロス!へ?と思ったが、シェークスピアではコロスが頻繁に登場することはないと訳者あとがきに)。
今は昔、内乱の物語。ソネット形式ということで、行の終わりの音(脚韻)が、「たり・よう・たり・よう、いき・さい・いき・さい、れて・して・れて・して、(は)なし・(は)なし」、とabab cdcd efef ggと揃えられているのでございます。
秘密基地より出撃した叛乱軍の宇宙船は、揚々、
残虐な銀河帝國に対し、初勝利を収めるに至り、
ついに帝國の艦隊は宇宙を彷徨う。
戦闘中、叛乱軍の斥候、敵陣へ行き、
盗み出した設計図で明らかになる巨大宇宙要塞、
デス・スターの全貌。これぞ恐るべき最終兵器。
その強力な光線は惑星をも紛砕。
レイア姫は、冷酷非道な追っ手を逃れて、
今や故郷へとひた急ぐ。なんとかして、
設計図を届け、自由な銀河に憧れて、
新たなる希望を実現しようとして。
我らが芝居は遙か昔、未来ではなし、
遠き不幸な銀河に起こりし話。
シェークスピアのファンとしてもスターウォーズのファンとしても末席の端っこにも指先も届かない半端もののただのミーハーに過ぎない(強いて言うなら大真面目に知力の限りを尽くした冗談とこねくり回した古風でみょうちくりんな日本語には目がない)この身にとっても有難き幸せな素敵な気晴らしになりそうな本であります。