ウソみたいだろ。大学の中なんだぜ、これで。
いま学生の参加している短期語学&文化研修プログラムを提供しているポートランド州立大学は、前回紹介した橋のあるウィルメット川西岸の、ダウンタウンをやや下ったところに広がっており、その結構広い敷地を、まるで北大のような本格的な緑地帯が南北に突っ切るような形になっている。その緑地帯を公園通りというが、御覧の通りにかなり樹齢のいった立派な木々と、綺麗な木のベンチたくさんあり、適当に人々が本を読んだりしゃべったり犬を散歩させたり曲芸の練習をしている。仲良しリスたちの姿も。
日中日陰では25度より少し暖かいくらいで、湿気がなく涼やか、これで虫がほとんどいない。なのに、人でごった返していない。奇跡のようだ(逆に日本の都会にいると、こういうふうに日常的にほっとできるような場所が貴重過ぎて贅沢品みたいになっていて難儀なことである)。
公園通り沿いになんじゃこりゃこの豪邸は!と思ったら、同窓会館のようなものらしい。
右側は中小の講義室や研究室が入っているホール。語学の授業はこの中の教室を借りて行われている。
二点透視図法の練習みたいになったのは図書館を後ろから見たところ。
ファサードは半分にしたドーナツの穴のような形にへこんでいて、ガラス張りの勉強コーナーになっている。
蔵書はかなり開架に出してあるっぽい。芸術系だと楽譜が大量に!英語だけでなく欧州諸語や漢籍、日本語やアラビア語ペルシャ語と思しきものも関係なく何等かの仕方で並んでいて、少なくとも美術書はこれが便利だよなあ、と。
飲食のできるコーナーや、グループで使えるコーナー。ホワイトボードの可動間仕切りは取り入れやすそう。
入り口を入ってすぐ、「子供のいる学生さん、ファミリー・フレンドリーな自習室があるの知ってますか?」というサイン。
ちなみにどうやら時差ボケを克服したようで、夕方自由時間に研究下準備できそうだと思って、今日は近くのスーパー(髭の長い兄さんがお香炊いてたりするナチュラル志向のスーパー)で飲み物を、近くのフードトラック街でトルコサンドイッチを買い込んでホテルにお籠り(トルコ料理屋台のおじちゃんはフェタチーズとほうれん草のパイをおまけにくれたがそれも絶品。ケバブラップサンドは予想にたがわず絶品でやすい)。
ビールはHopworks Urban Breweryというこの辺りの結構有名なクラフトビール醸造所がつくっているグレープフルーツ果汁の入ったIPA(国際音声記号のほうではなくインディア・ペール・エール)(*)。インディア・ペール・エールは一口目に錆ついたような独特な香気と刺激があってびっくりするけれど、癖になるおいしさで、スパイス使った料理にも相性がいい気がする。売り上げの1%は環境保護団体に寄付するらしい意識高いビール。美味しい。後ろにあるのは「コンブチャ」という、やはりこの辺でちょっと有名らしいノンアルコール飲料で、シードルに似た感じで果汁とスパイス、発酵させた感じの炭酸で、塩気もある。ビタミンとバクテリアの力で元気でちゃうよ!みたいなうたい文句でグリーン&手作り系のラベル。味については、ひとまずはビールの方が美味しい、と言っておくが、うまく売り出せば尾道で人気が出そう。そんな味。
(*) これを買うときにもIDの提示を求められる。オレゴン州では飲酒は21歳からなのだが、昨日のワイン区域立ち入り禁止といい、かなり厳しく適用されている様子。私の場合、免許証は生年月日が和暦表示なので結局パスポートを見せることになる。タブレットに入った写真でも大丈夫だった。IDを見せると「あら、あなた案外年いってるのね」と言わんばかりにニコッとされるんだけど、まあ、向こうは規則でそうせざるを得ないのであり、考えすぎというものでしょうね。