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2018/03/10

鼻かみかみ、花買う。

 仕事はないでもないけれど、久々に家で過ごす週末だから少しのんびりすることにして、家のことなど。

 野菜を買いに農協(ええじゃん尾道)まで行って、ほうれんそう、菜の花、それからこの時期に出回る向島の丸っこい長ネギ(下仁田ネギに似ている)などを品定めしていると、梅の枝と菜の花、和水仙がセットで120円というので買ってしまった。写真がそれで、水仙はたくさん入っていたので別の瓶に分けた。入れ方が適当だからもさっとしてるけど、1,2,3月がいっぺんに挨拶に来てるみたいで楽しい。隣は津川奈菜の作品、卒業生の作家で、以前展覧会で見て気に入って売ってもらったのだけど、これはこれで水のイメージなので少し夏っぽいのかも。

 帰りにホームセンターによって、耐えられずにエニシダの鉢植えを買ってしまった。

 春になると土が恋しくなるのか、矢鱈と野山を歩きたくなったり、黄色い花を見たくなるのだけれど、昨日から強い風で花粉が最高潮なのだ。とてもじゃないが野山をあるいたりなんて…!だが、これで家でも黄色い花を愛でられる。
 本当はミモザなんかが近くにあったら素晴らしいだろうけれど、エニシダも、なんとなくフランスとかイタリアの道端にわさわさある感じで野性味があって素敵だ。香りも、ちょっと草っぽさと野花っぽさが混ざってフレッシュ。かのプランタジネット朝の名前の由来になったとも言う。
 丈夫な植物らしいけれど、今度はちゃんと育てられるといいなあ(去年はミントとローズマリーという、どう頑張っても枯れそうにないハーブを絶滅させてしまったので…)。

 その他、家では、先延ばしにしていた整理整頓。そろそろ着たい春ものを出して洗うべきを洗い(本格的な衣替えはまだ先)、化粧品とか本棚を整理して、段ボールとか古い雑誌で要らないのを処分して、靴とカバンをクリームでいたわって、わけあって手に入れた羅臼の上等な昆布を使いやすく切り分けてパック詰めする。

 思い立って、昆布を贅沢目に使って出汁を取り、たっぷりのネギと豚肉と他の野菜、あとは春雨をちょっと入れて具だくさんの汁物をつくり、さらに思い立って、野菜として買ってきた菜の花をちょっとだけ、天ぷらにする。ちょろっとだけ日本酒をいただき、ほわんとして、韓国のりを巻いたご飯で〆る。いい休日。

2018/03/01

3月はライオンのようにやって来て

 やばいな。
 自分の仕事を思い切り出来るはずの春が、思いっきりばたばた駆けて去っていく。歯医者に行った話をしたら、周りにも歯医者に行っている人がちらほらいて、歯医者の季節でもあるようだ。花粉症をはじめ、身体の不調も、吐き出すみたいにでてくる。ここでメンテナンスしておかないと春からもたない。けどのんびり休むほどの暇もない。

 二月の半ばのしばらく、相変わらずばたばたしているのをいいことに、自分の隙を盗んで映画を観ていた。本当は本を読むのに充てるべき2時間かもしれないけれど、ざわざわしている時には映画の方がきちんと入ってくる。

 『バーフバリ 王の凱旋』(J.J.ラージャマウリ監督、インド、2017年)
 文句のつけようのない最高のスペクタクル。アリストテレスが涙を流しそうだ。
 高貴にして華麗、愉快だけど悲しい、神と人間が近かったときのお話。あらゆる戦闘表現が完璧に実行されて目を楽しませ、あらゆる装飾があふれんばかりの意匠を凝らしていて、きちんと踊って歌うし、へんな逡巡や味方の足の引っ張り合いで無駄に尺を取ることもない。全ては無駄なく最善に流れた上で、どうしようもないのがどうしようもない。インド映画はたまに観ると、自分の中のイメージの蓄積がいかに偏って貧弱なものであったかを思い知らされる。男女とも、鍛えられた筋肉の上にやわらかくキメの整った脂肪がほのかな小麦色で乗っかっていて、やわらかくしなやかで、女も男も小細工を弄する必要がないくらいにひたすらに強い。
 すかさず、『バーフバリ 伝説誕生』(J.J.ラージャマウリ監督、インド、2015年)。こちらはやや説明的ではちゃめちゃなテンポのよさは薄れるが、にしてもよい。
 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのファンである私は、『グレート・ウォール』(チャン・イーモウ監督、中国・US、2016年)を観て、ああ、こういうテもあったか、と、中国だからワイヤーアクションと美女(ないし男装の麗人)将軍で、もう指輪とか伝説とか色々名目はおいておいて戦闘表現特化でやっちゃおう、みたいのんもまあ楽しいのかも、と思っていましたけど、バーフバリはまあ、掛け値なし、仮借なき素晴らしさでしたね。大画面で是非。


『KUBO 二本の弦の秘密』(トラヴィス・ナイト、US、2016年)これまた最高。子供のときに見たかったな。
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(リチャード・リンクレイター、US、オーストリア、スイス、1995年)これも大変に好きな感じ。会話劇がうまくいくとこんなに凄いのね。こういうロマンス、きっとみんなそれぞれあるんだろうなーと。
『ビフォア・サンセット』(リチャード・リンクレイター、US、2004年)イーサン・Hとくると、ホークではなくハントと発声して恥をかいたこと幾たびか。
『20センチュリー・ウーマン』(マイク・ミルズ、US、2016年)エル・ファニングの可愛さは反則だといつも思う。