先日虫についてのエントリを書いて時間をおかないうちに、最悪の仕方でムカデと遭遇してしまった。なんと、寝ている間に背中に入られたのである。
まさかそんなことを予想していなかったので、はじめに背中がチクチクする感じがしたときには気のせいだと思った。ふつうなら寝ている間にパジャマがチクチクすることはないからだ。なのにこのチクチクが右上に移動する。ただのチクチクではなくモノに触れる気配がある。なにかわからないがなにかいる。深い眠りから突然浮上させられた時の混乱に恐怖が混じるあの感じにはちょっと思い出したくないものがある。とにかく上体を起こして上を脱ぐ。電気はまだ点けない。前開きでよかった。背中にいたものはぐるりと回って左腕から肩に付いてきた。たぶん脱いだパジャマで咄嗟に払う。夫を起こす。我ながら感心なのは、この間、常に自分の体が坊と奴の間に入るような体勢をキープしていたことだ。15センチほどの黒いかたまりが畳の方にゆっくり抜けていく。
夫に、階下に凍結スプレーを取りに行ってもらう。現物を見ている方が坊を守ったほうが確実だ。でも暗くてよく判らない。案の定、夫が戻ってきたときにもういなくなっている。そうか、ガムテープで押さえとかなきゃならないんだった。とはいえこのままでは眠れない。電気をつけて、でも相変わらず見えない。けど本当にいたんよ、と主張していたら、布団の際に動くものがある。布団の下に入られた!坊を移動させ、布団をはぐって、スプレーを向ける。マットレスで圧迫する。もう一度はぐ。ようやくノズルの至近距離に捉える。最後は私が仕留めた。
凍らされて捩れているが12センチはありそうながちゃがちゃした生きものの残骸をみて、夫は絶句していた。私は上半身あちこちにピリピリする感じがしつつどうやら噛まれなかったらしい。騒ぎの間に起きてしまった坊は、ムカデの死骸を見てもきょとんとしている。「ママの背中にムカデさん入ってきちゃったんだよ」といったら「つぎはムカデさんパパの背中にくる?」とのこと。前に一緒にみたときにも思ったけれど、あの姿に子どもは本能的に恐怖を感じることはないみたい。むしろ恰好よく見えるものらしい。その日は着替えて、ムカデの夢を見ながら寝たり覚めたり繰り返しながら夜をやりすごした。
次の日、明るいうちにいやな虫が来なくなるスプレーを空中に、部屋の隅にはムカデ凍結スプレー(忌避効果あり)をして、毒餌を増量した。以来、寝る前にはシーツの間までよくみるようにしている。変な話だが、寝ている間にパジャマに入られるのに比べたら、起きているうちにムカデに遭遇しても冷静に対処できそうな気がしている。
新たに得た知見を以下に。
・お風呂洗い用のスポンジとかの裏に潜んでいることがあるらしい。うっかりそのまま掴むと敵認定されて噛まれる。
・噛まれたら「お風呂なら熱いくらいの熱いお湯」をかけると毒消しになるらしい。(←ネットで調べたところ、お湯で血行が促進されてかえって毒が回ることもあるので推奨していない医者もいるとのこと)
・4つくらいにめちゃくちゃに千切っても、噛むことは出来たりする。(←いや、千切らないって…)
・殺生すると仲間を呼ぶ物質を出すから殺さないほうがいい。(←ネットで色々調べたところどうやら迷信っぽい。蜂には似たような生態があるはずだが…それにしても、殺してはいけない場合どうしたらいいのだろう??)
後日追記:12センチくらいなら3000円で売れる!とのこと。ヤフオクに出品し、生きているのを封筒で送るらしい。世の中いろんな人がいるな…