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2013/09/08

壊れやすいものを愛でる


 改めて数えると10年で6~8回引っ越しという結構な流浪の民である。いきおい、極力自分の物を増やさない方針でやってきた。ペアでそろっている食器がないことにはよく驚かれるし、書籍でさえ同業者とくらべたら少ない方だ。
 例外が硝子で、雑貨屋でも骨董市でもついつい立ち止まって見てしまう。写真の中の一つはパリの蚤の市で見つけた20年代のクリスタルで、スーツケースに入って一緒に帰ってきたもの、また一つは京都で留守番担当ながら5回くらいの引っ越しに耐えている。
 何で好きかって、とにかくキラキラして繊細で美しいし、手指や唇に当たるひんやりと硬質な感覚も好ましいのです。海外なんかだと、壊れて困るものは持ってくるな!汚れやすい物は着るな!大事な物は見せるな!みたいな感じで、それは非常に生存戦略上有効なのだが、かといって自分で好んでどうでもいいものに囲まれ続けて行くと感覚が荒んで行くようで、そんなのへの抵抗もあるのかもしれない。好きなように動く。けど、大好きな壊れやすいものを壊さないように。
 今後1-2年では大きな移動はないとみて、普段の器もちょこちょこ揃えていこうと思う。
 今日は、しっくりと手に収まる陶器の花入れを手に入れてしまった。

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