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2016/01/05

寒さと戦う~女の家

 今日が事実上の仕事はじめだったのだけど、仕事場が寒すぎて物凄いエネルギーを食われた一日だった。15時ごろになってようやく寒さのことを考えなくてもよいくらいに落ち着いたからよいものの、昨日の夕方に駅に降り立って生ぬるい風を浴びた時には「しめた!この地には冬は来なかったようだ!」とにんまりしたのもつかの間、家はどこもかしこも冷たく、研究室ではオーブンと逆の現象が起きているなんて、全く油断ならないことである。今のところは事務仕事もそんなにたまってなかったし、自分の仕事は年末年始もぼちぼちやってたので、本日一番胆力を使ったのは「部屋が暖まるのを待つこと」なんじゃないかと思うくらい。
 あ~肩こるったら!今日は粕汁じゃ、熱い風呂じゃ。道産子が寒さに弱いというと笑い話みたいに理解されるけれど、暖かいところでしか寛げないのは、夏に凍えるほど冷やさなければ不安なのに比べたらどんだけか合理的なことじゃないかと本気で思ったりするのだ。

 毎度、実家では何をするというものではない。
 買い物とか遊びに行くこともあるけど、メインはこれだ。持ち帰った仕事をして、分担している家事をして、おすすめされた本や新刊の増えた漫画を読んで、ストーブの前でめいをなでて、あとは果てなく近況や、創作活動や、読んだ本や、美味しいものの話をする。心行くまで昼寝して、一日に何度もお茶やコーヒーを淹れ、大体は茶菓もいただく。申し訳程度にピアノの練習もして、夜は美味しいお酒を飲んだりする。
 人に言うと「何が楽しいの」という顔をされることが多いので、試しに書き出してみたけど、改めてみてもこんな幸せはない。
 めい(ミニチュアダックス)を含めて、父以外は女ばかりなので、上橋菜穂子の「守り人」シリーズでサンガル王国の王家の賢い女たちが集う四阿(あずまや)とか、佐藤亜紀の『雲雀』にちらっと出てくる女たちの秘密基地みたいなところとか、そういうちょっと外と違う秩序が敷かれているような呪術チックな感じもしませぬか。まあ、我々の秩序はお茶とお菓子と「あったかのんびりおいしく」なので、極めて平和的なのですけれど。

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