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2016/08/28

夏野菜パラダイス

 秋にしゃべる仕事のネタ探しのため、午後中かかって過去にヨーロッパの色々な街で撮った写真を整理していたら、すっかりワインが飲みたくなってしまった。街並の写真は料理の写真とかと一緒にプライベートのフォルダに入っているから、ついつい目に入るのだ。そこで、安い500ml入りのキャンティを手に入れて昨日仕入れた夏野菜とひとり晩餐。

 相変わらずフライパン一つで出来るワンプレート。あまり肉の気分でなかったので、肉っ気少な目だけど赤ワインに合うものを。フランスにいた時は、私の愛する豚小間がなかったので、「肉喰うぜ」って気分じゃないときは、厚切りベーコンとか加工品で味だして全然満足してたなあ。向こうも色の濃い野菜のおいしさと言ったらなかった。
 手前から、トルティージャになるはずだったジャガイモ入りのスクランブルエッグ(ここは大人しく小さなフライパンを出せばよかったのだ)、あくまでトルティージャのつもりなのでニンニクすりおろしを混ぜたマヨネーズを添えて。真ん中は名付けて「夏野菜パラダイス」、昨日買ったしし唐、赤ピーマン、マイタケ、そして「クララ」を、ニンニクと厚切りベーコンとともにオリーヴオイルと酒で蒸し焼きにして、香りづけに醤油。クララとは数センチサイズの小さな茄子の一種で、肌理が大変細かいため、油を吸わず、クリーミーな仕上がりが楽しめるという。へ、クリーミーな茄子ってなんぞ、と思ったけど、確かに成程とろんとしていて美味しいし、フライパンがカラカラにならないから使いやすい。皮もやらかい。ミートソースやチーズなんかとも合いそうだ。上にあるのはクスクスで、人参とレーズンとともにサラダ仕立てにしてみた。ミントかクミンが欲しい味だが、レーズンとバルサミコは流石に赤ワインと相性抜群。上二つは明日の弁当の分もできちゃって、皿一つ、フライパン一つ、耐熱ボウル一つで晩餐と弁当が出来る、一人暮らし万歳パラダイスである。

2016/08/27

観たものとか食べたものとか

 エアコンをつけっぱなしだと冷えるのが気になるけれど消すと蒸す。悩ましい季節だが、もう少しの辛抱で爽やかな秋がくるのだから、たいして文句もない。
 今日は久しぶりに道の駅巡りで大和郡和木にある「よがんす白竜」に野菜を仕入れに。
  アメリカのニュージャージーかどこかと姉妹都市だそうで、そこはかとなくアーリーアメリカンでこじんまりした建物。野菜は、しし唐、なす、トマトなどの夏野菜が種類も豊富でたくさん入って安い。他に梨や葡萄もあったが、こちらはそこそこ高級。
 野菜の他には、併設のレストランでピザを食べるのが目的だった。

 地方特産品のレンコンを使ったピザ。軽めのふんわり生地に、ごくフレッシュなトマトソース、ごろごろと角切りでレンコンがたっぷりのほか、赤ピーマン、玉ねぎ、バジル。野菜はフレッシュかごく薄い味付けでそのものの味が鮮やかだが、加えていい味を出しているのがサルシッチャ(イタリア風の皮なしソーセージ)と、忘れちゃいけないモッツァレラ。上の写真は特に加工もしていないけれど、彩りも美しいし、ミミにふりかけられた粉チーズに至るまでバランス完璧だった。
 行きは、北にどんどん上がって山陽自動車道の下道を大回りして御調から三原に抜け、国道486号線から432号線。帰りは486号線の途中で県道25号線に入って三原市内を経由。ところが、地図上で無駄がなさそうに見える県道25号線が、恐らく古くから南北を繋いでいたのだろうが、谷間の縁を這うように七曲りくねった山道で、かろうじて真ん中にきちっと線は引いてあったものの、がけ崩れかイノシシの大群など押し寄せたら一たまりもなさそうなスリル満点の道であった。最近はこんなのはトンネルにしてしまうので、まるで魚加工品を売った帰り道の古の商人のような気分が味わえて大層楽しかった。海が見えたと思ったらいきなり三原市内中心部に着いているのも面白い。

 それから、金曜に岡山県美で伊達政宗展。私は大河も見ていなくて戦国時代にはとんと疎いのだけれど、展示みただけど、「まーくん」萌え、俄然アリだと思った。何しろお洒落(しかも奇抜でモダン)で、書はほかに並んでいる人々のを素人目にも圧倒しているし(徳川家康の文字もあれはあれで可愛げがあるように思われるが)、詩歌はキレキレだし、キレキレなのに愛娘にひらがなでカワイイお手紙書くし、片目失明だなんてヒーロー属性、そりゃあ戦だって上手かったんじゃないかしらん。斯様に私本当に日本史は無知だし、家系図みてもさっぱりなので、展示品から想像を膨らませては感心するばかりであった。
 県美のそばにはいくつか美味しいご飯やがあるが、行ったことのなかった盛岡冷麺の店に入ってみた。こうなったら東北で攻めようという魂胆になったのである。しかしこれはちょっと失敗。頑張ってイオンまで戻ってブルターニュのガレットにするか、その辺のインドカレーでも食べとくんだった。まあ、美味しかったんだけど少しぬるくて、そういうものなのかな?とにかく暑い日だったし。となると、昼過ぎの暇になった頃合いだったのにお客さんの出て行ったあと、茶碗下げるときにテーブルを拭こうとしないのが何となく気になり、お洒落なカフェ風の明るい照明に無垢材っぽいテーブルだったので座っている目線だとスープがこぼれているのが見えるのだが、料理出す方ってあんまり気にならないものだったっけ、などと考え事をしていた。

2016/08/22

夏休み

 少し間があいてしまった。その間にいくつか緊張する出来事があったり帰省したりして、夏休みっぽい夏休みにもそろそろ飽きてきたところだ。今日は少しましになったが(尾道で目覚ましがなるまで寝ていられたのは一か月ぶりくらいじゃないだろうか)、ここ数日の暑さときたら、21時を過ぎてもお湯の中にいるようで本当にまいってしまう。

 そういえば今年は久方ぶりに本物の花火を間近で見た。場所取りのようなことはしなかったから、密集した建物と人だかりの合間をぬって、だが、かなり近くから。
 いつも花火大会の季節になると美しい写真や動画がネットにあがるけれど、花火の(特に)写真と実物の花火は全く別のものですね。綺麗に撮影された写真の、緩やかに放射状に広がる光線とは色も形も全く違う。花火はどっちかっていうと時間芸術なんだろう。目玉のプログラムとして「音楽花火」なるものがあり、大音量の録音に併せてスターマインが打ち上げられるので、かなり盛り上がる。ただまあ、やっぱりスピーカーを通って割れた音楽はしっとり花火の愉しみにはやや邪魔でもあって、むしろBGMなしのスターマインのプログラムで、視覚的効果だけでなくリズムや盛り上がりをきちんと音楽的に組み立てるのが大事なんじゃないかなあ、などと考えていた。好みは変わるもので、小さいころは断然ガンガン打ち上げられるものがよかったけれど、近頃は雑なスターマインよりも早打ちに魅かれる。

 先日は、春に一度訪れた弓削島の商船高専裏手の海水浴場に寄ってみた。松の木で縁どられた小さな砂浜には近くの親子連れや水泳教室風のグループなどがちらほら。シーズン中の土曜でも鄙びた風情が変わらず、よい雰囲気の場所なのだ。
 海月が増えつつある近頃だと、水遊びは海より川のほうがお薦めだというので、今度は北に行ってみたいな~。