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2017/04/21

待つこと久し!!

 Game of ThronesのSeason 6をとうとうすべて観終わってしまった。
 正しきファンとしては、これからSeason 7が発表されるまでの間の無為を嘆くべきところなのだろうけれど、私は矢鱈と今晴れやかな気分である。観た人ならここまでで事情を察してくださると思うので続きを書くことに意味があるのかは不明ですが、ひとまずあからさまな話の筋には触れないものの、タイミング的にはネタバレになりかねないので以下、クリックで広がるようにしておきます。


2017/04/16

脱力サンデー

 新学期ってやつのお蔭で大変ヘビイな一週間を過ごした。授業は初顔合わせよりどりみどり、楽しいイベントも満載。しかも、私には珍しく、自分からやりたいといって人を巻き込んだり、自ら進んで人々とする仕事に巻き込まれていったりするタイプのことがちょくちょくあったので、そこそこ身体にダメージがキた。この年になってなんだけど、今までは仕事関連でチームプレイに関わる場合、頼まれたり指示されてそうなることが圧倒的に多くて、自分の主導で何かするときは個人競技がほとんどだった気がする。というわけで、自分から飛び込んでしまうと、引っ込みがつかないし言い訳も格好悪いし逃げ場がないのでなかなか大変なことがやっとわかったわけだが、これに慣れたら出来ることがだいぶん広がると思う。既に楽しいことが広がる気配もある。なかなかスマートにはいかないけど頑張ろうっと。
 そんなわけで、今日は久々に目覚まし無しで昼前まで眠り、シナモントーストとコーヒーでブランチして、いくらか家事や日常の買い物をしたほかは昼寝(まだ寝るのか)したり読みかけの紙の本(いまはユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』下巻)とか電子書籍(いまはDavid Lagerrantz, The Girl in the Spider's Web: A Lisbeth Salander Novel)とかの続きを読んだり、ゆるゆると過ごした。キンドルの方は、スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』シリーズの続編で、作者が亡くなったので別の人が続きを書いているもので、そのうち映画化もされるらしい。「ドラゴン・タトゥーの女」に始まるトリロジーは完全に巻置く能わずの徹夜本だったから、邦訳出てるけど英訳でもいいんじゃないかと思って。ご存知かもしれないけど、キンドルは分からない単語の訳を一瞬で出してくれるので、ミステリー的なのを読み流していて医療・法律・ハッカー関連の専門用語がごちゃごちゃっと出てきてもちゃちゃっと解決して「軽い読み物」として脱力したままでいられるのでとてもいい。

2017/04/12

Here's to the ones who dream.

 遅まきながら『ラ・ラ・ランド』(2016年、デイミアン・チャゼル監督、アメリカ合衆国。公式ページはこちら)観たのだった。
 以下は、ネタバレになるほど筋には触れていないけれど、過剰な思い込みとか怨念が入ってるから、まっさらな気持ちで観るつもりの人は読まない方がいいと思います。


 予告編とか観ず、ひたすら周りの(観ていない)人が楽しみそうにしているので楽しみにしていたのだけど、いざ観るとだれもが恋に落ちるだなんてとんでもない、もっと幸せな話なもんだと思い込んでた。特に、オーディションでの「夢追い人に乾杯 the fools who dream」の歌のあたりから最後にかけて謎な攻撃力があって、しばらく思い出すだけで涙がちょちょぎれるぐらいダメージを受けた(多分、褒めてる)。
 正統派クラシックを意識して、イイ感じに目配せして見せながら、ここぞという場面で裏切る、というと、まるで小粋な作品みたいなんだけど、その裏切り方がどうも倫理的でなくてお洒落というにもやり過ぎている感じがするので、あまり感心しないのだった。急いで次の日『セッション』を観たら、やはりとてもドキドキさせるけれどとてつもなく嫌な後味が残るので、凄いけど嫌いなタイプの人だなあ、という感想を持つ。監督がね。
 『ラ・ラ・ランド』も、ちょこちょこと、むかつく。
 かと思うと、最初の高速道路でのAnother day of sunのミュージカルシーンは拍手したくなるくらい最高で、通称「プリウスのシーン」(*1)というらしいA Lovely Nightは、もう、大好き。ライアン・ゴスリングの顔はあまり好きでなくて、エマ・ストーンも、愛嬌があって表情がカワイイけど、いるだけで恋に堕ちちゃうタイプの美女ではない。そういう、なんだか、存在だけでドラマになるような美男美女ではないけど、独特のコミカルなチャームのある二人が、昔の映画のような恰好で、明かりの灯り始めたロサンゼルスの街を臨む高台で、何かが起こるとしか思えないとっておきのロマンチックな黄昏どきに、「でもそばにはほんっとにどうでもいい感じの君みたいな子しかいないって、こんなステキな夜なのに無駄だよね」とかお互いにぐちゃぐちゃ言いながらやっぱり踊りだしちゃうとか、たまらんね。少女漫画みたいにキュンキュンするわけです。お互いのことが大事になりはじめるほど、自分の仕事だけでなく二人の関係までうまくいかなくなるというその様子の見せ方もまた丁寧なものだから、思わず共感してしまう。そして、最後には、胸の奥にずしんと恨みに似た苦味を残していくので、なんかとてもアンバランスで、映画の分際で、と毒づきたくなるのである。
 願い事というのは叶ってしまうものだから、慎重にしなければならない。そんなことを近頃考えていたのと呼応するような結末のようにも思う。それでも、周囲を顧みない、呪いになりうるような願いをかけてしまうのがまた、Foolsの業なのでしょう。


(*1) 正直、六年もバイトしながらオーディションとパーティに明け暮れているミアがプリウスに乗っているのは信じられないのだけど、この場面のためなら仕方がない。というより、もしこれにリアリティがあるというなら、私のいる日本はずいぶん貧しい地域なのだなあと感じる。自分は一応フルタイムで働いてるけど、順調に地球の三周目後半を爆走中の中古コンパクトカー維持するのでいっぱいいっぱいよ?

2017/04/03

シフォンケーキ実験ノート

 料理は手間と愛情、お菓子は女子力と美しい心映えで勝負デス♪
 …なあんてこの私が書き始めたら「エイプリルフールを二日も間違えるなんてこりゃ重症だ」と疑っていらっしゃるであろう皆さんこんにちは、今日はシフォンケーキの実験ノートです。

 冒頭の迷言、正解ヴァージョンは、料理は要領と技術、お菓子は物理と化学ってとこかしら(*1)。

 つまり、料理では許されるどころか奨励されるショートカットや材料のアレンジ等の小手先のテクニックは、お菓子では各材料の各状況下での振る舞い(室温、温度とその変化、攪拌の程度、分量の比率、体積変化、水や油との反応、膨張剤との反応などなど)に余程精通していない限り、できるだけ避けるべきだということ。



 ただ、どうしてもちょっとアレンジを加えなければならない場合もあるので、実験をすることになる。というのも、母上に電話で教えてもらった加藤チエさんのレモンシフォンのレシピなんだけど、直径20cm型用のもので、私が持っているのは17cm型なのだ。

◆20cm型材料◆
卵黄5個分
塩 ひとつまみ
グラニュー糖 120g
サラダ油 80ml
水 70ml
レモンの皮 1個分(すりおろす)
レモン汁 30ml
薄力粉 120g
ベーキングパウダー 小さじ2/3
卵白6個分
→170℃のオーブンで50-60分

◆トッピング◆
粉砂糖 150g
レモン汁 30ml


 これを、前回17cm型でやったときは、卵黄5個を4個に換え、それとともにレモン皮と卵白以外の材料を全ておおむね4/5にして、卵白は5個分、レモン皮はそのまま1個分にした。焼き時間は型についていたレシピに基づいて短くした。正確には以下。トッピングは材料費の都合上カットした。


◆17cm型材料◆
卵黄4個分
塩 気持ち少なめのひとつまみ
グラニュー糖 96g
サラダ油 64ml
水 56ml
レモンの皮 1個分(すりおろす)
レモン汁 24ml
薄力粉 96g
BP 小さじ1/2
卵白 5個分
→180℃で余熱したオーブンを170℃にして35分

 結果的には、やや膨らみすぎと、少し焼きが甘い感じで卵白ののっぺりした味が目立ったので、次あたり以下のように変えたらいいのかなーと思う。ちなみにふくらみは十分で、トール型でももりもり。


◆【改】17cm型材料◆
卵黄4個分
塩 気持ち少なめのひとつまみ
グラニュー糖 96g
サラダ油 64ml
水 56ml
レモンの皮 1個分(すりおろす)
レモン汁 24ml
薄力粉 96g
BP 小さじ1/2
卵白 5個分 4個分(修正しました)
→180℃で余熱したオーブンを170℃にして40分

◆トッピング◆
粉砂糖 100g
レモン汁 20ml



 折角だから作り方も書いておこう。
 シフォンケーキは、材料を見てわかるように、素材の味で完成品の味が決まるバターケーキ系のお菓子とは違い、空気を含んで膨らんで形になる錬金術であるらしい。ふくらみの主体は泡立てた卵白で、小麦という支持体をこっそり混ぜ込むおかげで焼いて形が固まったあとに自重でへたれることがない。ベーキングパウダーはこの過程を少し楽にしてあげるくらいの役割で、実はなくてもしっかり膨らむ。ただ、膨らませることを重視して卵白を泡立てすぎると、本当にカスカスのスポンジになってしまう。一回しっかり膨らむことがわかれば、加減して泡立てたり、最後に混ぜる時にしっかりめにすると、しっとり感が出ていいみたい。
 味を決める卵黄と砂糖、サラダ油はなるべく癖がなく新しいものがいい。これに限ってはプレーンよりもレモンなりなにか風味を足したほうが誤魔化しが効くように思う。
 バターを入れないで美味しいお菓子を作るというのは、出来れば魔法だが、その分難しい、やりがいのある挑戦である(なんとなれば、バターと砂糖がたっぷり入ったものは何だって美味しいに決まってるからだ)。


[下ごしらえ]
小麦粉とBPは合わせて篩っておく。
レモンの皮を摩り下ろしておく。レモン汁も絞っておく。

[ボウルA]
1, 卵白と卵黄を分け、卵白は小さい器にとって冷凍庫に入れる。
2, ボウルAに塩と卵黄、グラニュー糖の半量を入れ、泡だて器で手動ですりまぜる。
3, 混ぜながらサラダ油を一気に加える。(ちょっとづつ加えると謎のマヨネーズ状の物体になってしまう)
4, 混ぜながら水を一気に加える。
5, レモンの皮とレモン汁を加えて混ぜる。
6, 粉とBPを振りいれ、なめらかになるまで泡だて器で混ぜる。
ざらつきがなくなり、トロリとしてくる。

[このあたりで私の場合オーブンの予熱を開始]

[ボウルB]
ボウルBは、ハンドミキサーでメレンゲをあわ立てるので、大きさ・深さの十分なものを用意し、水気や油気がないようにしておく。
7, 冷凍庫からすこーし薄氷の張った卵白を取り出してボウルBに入れ、グラニュー糖残りのうち大匙1程度とともに、ハンドミキサーの「強」で、1秒に2回くらい円を描くようにしながら5分弱くらい泡立てる。
8, 角がでてきたら、残りのグラニュー糖を2回に分けて加え、その都度45秒ほどハンドミキサーで攪拌する。柔らかい角が立ち、その「三角帽子がひゅっとたってすっと倒れる」くらいまで。

[ボウルA]
9, 8のメレンゲを1/3ほどゴムベラで掬いいれて、泡だて器で、「すくって、持ち上げて、たらーっと」混ぜる。

[ボウルB…でなくてもよい。二つのボウルのうち大きいほう~型]
10, 9をボウルBに加え、手動で泡だて器で「すくって、持ち上げて、たらーっと」混ぜる。
11, 大きな泡がなくなったらゴムベラに持ち替え、白い筋が消えるまでサッサと混ぜる。
 「生地をすくって落とすと、リボン状に跡が残り、それがすぐ消える」くらいまで。
12, 生地を型に一気に流し、ダンッダンッと台に打ち付けるようにして馴らし、オーブンで焼く。

[冷却]
13, 焼きあがったら、型のまま逆さにして一晩、完全に冷めるまでほうっておく。
14, 冷めたら、シフォンケーキ用のナイフあるいはパレットナイフで丁寧に型からはずす。

[トッピング]
15, トッピング用の粉砂糖とレモン汁をボウルで混ぜ、滑らかになったらボウルの底を60℃くらいのお湯で湯煎し、とろっとさせる。
16, さましたシフォンケーキの上に一気に15を流しかけ、パレットナイフなどで「びゃっと」平らにならす。





(*1)無論、女子力と美しい心映えはお菓子に限らず悪いものじゃないですが、私の理想とする女子力ってのはこんな感じなので悪しからず…