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2015/07/13

地盤上の心理的な戦い

 まだ暗いうちなのに、何か目を覚まさせようとする者が頭をもたげてきて、まだ早いよ、暑さで夜中に起きる時期じゃないよ、寝てようよ、と念じながら薄目を開けると、一拍置いて建具が静かに音を立て始める。
 それほどじゃないな。前回初めてこの家で地震に遭遇したときは、震度4に近い3でかなり長く、その間に勢いが強まるタイプで不安が掻き立てられた(慌てて南海トラフについて調べ始めた)が、今回はそれほどでもないのがすぐにわかった。本棚は廊下にあるから私の身はとりあえず安全。目をしっかり開けて、耳を澄ましているとやがて揺れが収まった。
 ipadで天気予報のページを開くと既に速報が出ている。震源という大分県が思いのほか近いのに驚く。機会がないとこちら側を中心に日本地図を見ることがないから、九州は十把一絡に南の島というイメージだが、瀬戸内海と伊予灘を囲むようにしている大分・愛媛・広島三県は実はお隣なのね。
 兎も角、まだ三時だから眠らなければならないと思って、汗をかいてしまったのでTシャツを替えて一時間だけ冷房をつける。と、視線の先に白い大きな直方体状の塊が浮いているのが見えた。
 …や、いやいやいやいや…。
 本棚のことしか考えていなかったけれど、夜中に大きな地震来たらもっとマズいもの、あるじゃん。丁度頭の上に設置されている、エアコン。
 さて、困った。これが万が一落ちてきたら、顔に直撃だ。この程度でどうにかなるような美貌じゃないけど、緊急時に鼻の骨が折れているとかは大変そうだな。頭を打って意識をなくしたら逃げ遅れるかもしれないし、脳震盪で記憶をなくすかもしれない。どう配置換えしたら少なくとも頭に振ってくるのを防ぐことが出来るかしらん、今日のところは枕を逆にした方がいいのかなあ、と、霧ケ峰(家にもともとついていた)をにらみつけて、しばし。
 しているうちにどうやら眠ってしまったようで、寝ている間に霧ケ峰が降り注ぐこともなく、今日も元気です。

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