モスクワからサンクトペテルブルクの移動日は、夕方まで国立トレチャコフ美術館など観て心底楽しかったのですが(美術館では一番おすすめかもしれない、特に19世紀後半以降の風景画や、ロシア愛に目覚め始めたあとの歴史画がめちゃくちゃ楽しい。みんな大好きクラムスコイや、油画専攻男子になぜか人気のアイヴァゾフスキーも堪能しましたが)、その辺は省略してしまえ。
隙をみつつ、明日はペテルブルクから話を続けましょう。
ロシアつながりのようでつながってもいないのだけど、学生から熱烈におすすめされてDVDを渡されていた『不思議惑星キンザザ』を観た。「ゆるい」というのが定番の形容詞のようで、確かにゆるいが、どちらかというと不条理で、サーカスティックで、でも笑えたり失望したりもするし、笑えん恐怖もあるし、あったかエピソードもある。どんな分析をしてもはぐらかされそうな、どこまでも真面目に見せない擬態が逆にお見事。高校生は学祭で取り上げるべきである。「おまえ誰だ?」とか「でも、どうやって?」とか、「そこをなんとかお願いしますよ」みたいなんとか、ところどころ言葉が分かったのもうれしい。バイオリン弾きはばよりん弾けないけどバイオリン弾きなんだな。
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