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2013/07/29

死者にかかずらう

 七月下旬に入ってから常時目の調子が悪い。右目の乱視は悪化しているし、アレルギーみたいなかゆみが発作的にやってくる。誤魔化し誤魔化し、流石に授業は眼鏡ではやりにくいので、あまり人と合わない日を狙っては眼鏡で過ごしている。
 ともあれ、長かった前期は漸く残すところ試験のみ、思う存分死者にかかずらうことのできる夏休みがすぐそこまで来ている。の割にはすぐには切り替えが出来なくて、昨日今日は論文を机中に拡げて云々言っている内に過ぎてしまった。こんなんじゃいかんね。みたらし団子でも食べて気合い入れて今夜からもうちょこっと前進するのです。忙しいのは歓迎だよ!締切はあったほうがリズムが取れるよ!背水の陣にならん一歩手前まで野心に身を浸して実り多い未来を思い描くのだ。

2013/07/22

ニョロニョロ回想

 鰻に対する特別な思い入れとか御馳走感覚というものは、松茸の香りのそれと同じで、基本は後天的なものなのではないかと思う。
 私は、自分の食べ物全般に対する卑しいくらいの執着と比べると驚くほど、鰻がどうでもいいのだ。母がもともとあまり好きでなかったようで、家で鰻を食べた覚えはほとんどない。ウニや生の魚なら休日に二時間ドライブをして食べに行くこともあったし、祖父母を経由して中身の詰まった蟹や塩焼きしただけでかりっ、ふわっ、じゅわっ、とろっが全て楽しめるような魚が届いた。記憶の中でぴちぴちと(今なら冷酒の入ったお猪口を伴って)泳いでいる魚介の中に鰻の姿がない。大学に入って、七月にわざわざ家族分鰻を買って食べる人々がいることを知って驚いた。
 そんなわけで、名古屋のとある名店でひつまぶしを食べたときにも、汁かけごはんファンの私はそれだけで狂喜したものの、ちょっと味が濃いのが気になって、なんだか感動が薄かったのは、きっとあの場に鯛の漬け茶漬けがあったらそっちの方に惹かれただろうなんて思ってしまうのは、多分その鰻的教養の欠如が問題なんだろーなーなんて思ってしまったわけである。
 ただ、茶道部で今日庵で出して頂いた梅の井のうな重はちょっと別格だったかもしれない。塗りのお重を開けると発光しそうな錦糸卵が敷き詰めてあって、その下には小さく切られた鰻、味のしみたご飯。箸でそっと崩しながら、ふわっとした卵とほとんど同じくらいに軽い口当たりで、噛むとじわっと味が広がり、つるんと時折ゼラチン質が舌に楽しいけど全く脂っこくないのを、ほのくらい畳に並んで正座し、一言も口をきかず一度も箸をおろさず無音の内に食べる(というのが稽古の時のローカルルールだった)。それもまた、別の場所では違う味になってしまいそうで、お店に足を運んだことはないのだけれど。

2013/07/19

おつかれちゃん

すとんと眠るには頭がざわついてならない。
体力を使う日が続く。運動しなければ。自分の果たす役割と、こうありたいと思う様なイメージを結び合わせる。最大限に過激であること。疑問を突き付け続けること。なんでも口にする困った奴だと周り中に思わせること。

2013/07/06

ボヘミアン

 イオンで買ったオーストラリアワイン、鶏肉ときゃべつのとまと煮、アボカドの刺身。
 来週遊ぶ分の振り替え~くらいの気持ちで今週末日中は結構仕事しようと思うので、夜はのんびり。久しぶりにどうしても赤ワインの香りが恋しくなって、シラー。800円ですよ、そんなに悪くない。そんなに凄いこだわりがある訳ではないから、普段のワインは感動するほど美味しいのなんかじゃなくても大丈夫。ブルゴーニュの感動ワインをこの辺りで嗜もうと思ったら5000~10000は覚悟だものね。800円ならヨーロッパならスーパーで4ユーロ前後だろう。たまに外れる。そうでなければちょっとくらいならハッピーな気持ちになれる。なにより記憶にしみついたこの香りだ。久しぶりに間接照明に切り替えて、血管をざわめかせる音楽をかける。久々に救いようもなくカブれてる自分が頭をもたげてきたりしてね。あんたは本当に阿呆だよ。不経済ったらない。生まれ落ちたところで大人しく幸せを見つけられたらよかったものを。
 夏の予定を決めなくちゃ。

2013/07/02

逆襲のラニングノーズ

ちょっとやる気出して時間の無駄なく生産的に過ごしていたらこれである。今日は19時半を回った途端に鼻が作業停止を訴えて来て、帰ってきてもまだ鼻水止まらず頭がぼうっとしてる。なんてことだ。もう今日はパソコンを閉めてだらだら本を読んでる内に23時前には意識を飛ばしてしまうのだ。

2013/07/01

ハーブとして使う塩レモン

 週の初めから結構飛ばして疲れた。授業を持っていない朝に、「研究のことしか考えてはいけない」時間というのを設けるというのはいいかもしれない。少しの時間でも、毎日思い出すようにすること。出なければ、切り上げた地点に戻るのに時間がかかりすぎる。
 でも散歩のお蔭で夕方にまた持ち直して一つ授業準備を進めることが出来た。
 結局帰ってから米を炊くのには遅かったのでパスタ。買ってあった小ぶりのトマトでペペロンチーノを作るのだけど、ベーコンの代わりにポークウィンナー、大蒜がいまいちだったので代わりに塩レモンを刻んで混ぜたら、まるで別物というくらいにお洒落な味になった。塩レモンはもうかなり漬かっているので酸味はほとんどない。レモンピールの独特の爽やかなほろ苦みと、発酵食品風のまろやかな塩辛さ。ちょっとした万能調味料である。聴くところによるとクリームパスタにでも合うそうだ。