Pages

2016/12/02

飛べない浄水器

 先日備前に行ったときに(晴れのくにで土のうつわを)、面白いものを買った。
 「備前玉」といって、その名の通り、直径2cmちょっとくらいに焼しめられた球状の陶器である。備前は、粒子の細かい素焼きなので、備長炭のような要領で水を浄化する。それでコーヒーやビール、お茶が美味しく飲めるのだが、この「備前玉」は、水を美味しくまろやかにする機能をどういう器でも楽しめるようにしたものである。備長炭のように使えるし、もっと長持ちする。「器」というと限定的だが、薬缶でお湯を沸かすとき、炊飯器でご飯を炊くとき、あるいはお風呂に入れてもいいらしい。
 ひとつ100~200円とお安いので、実家にも送ろうと思っていくつか買っておいた。この度、実家に郵便を送るついでに同封することに。仕事場に買い置きのレターパックライト。ポストに投函でき、ある程度中身が入れられ、結構早く着く。ただ、品名をきっちり書かなければならないらしい。
 果たして「備前玉」でわかるだろうか、と不安に思ったので、浄水機能のある、陶器のアイテム・・・と「陶製浄水マシーン」と書く。これでわかるでしょ。

 ところが、この浄水マシーン入りのレターパックライトは、飛行機に乗せてもらえなかったらしい。理由は危険物の疑い、問題箇所は「品名」。
 うーん?一日遅れて届いたレターパックライトを受け取った母上は「陶製浄水マシーンなんて絶対怪しい」というけど、怪しいかねえ。マシーンがいかんかったのだろうか?「陶製浄水器具」?「陶製球体」?爆発しそうかな?それをいうなら「備前玉」もなにやら不穏な感じがするけれど。空気中の水分まで浄水してまろやかになっちゃいそうで脅威だと判断されたのだろうか?「備前国特産陶器製小型球状浄水他有用非爆発物」?
 関わった係員の方には、手間をかけさせてしまって申し訳なかったですが、なんと書けばよかったのかこれは、ちょっと難しい問題である。だって、「雑貨」じゃだめだもんね。