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2021/11/27

お話みたいなホットケーキの(なぜそうしないかという)お話

  小さなころは、お話に出てくるホットケーキやパンケーキに憧れたものだった。小さめに丸く焼いたのをお皿に重ねて上からバターと蜂蜜をかけるやつ。バターはまだ溶けきらずに塊が見えなければならない。母の作るホットケーキは美味しかったけれどなんか違って、大きく焼いて放射状に切り分けられていたし、重なっていなかったし、バターはもう溶けてしまっていた。それで、六花亭カフェの中くらいのを二枚重ねて大きなバターをのせたホットケーキ一人前に狂喜し、自分で焼けるようになると、思う存分小さいのを重ねて冷たいバターをのせた。そして今、子供にホットケーキを焼いてやるようになって、あの大きさの意味を知る。動作ひとつひとつの速度を上げるのには限界があるから、アクション数を切り詰めるのは料理の正解だった!妹のところでも同じ結論になったみたいで、甥っ子の動画を見てると、どうみても中袋一つぶんを一枚に焼いた感じの分厚いのをケーキカットして幸せそうに食べている。思えば、今朝作ったかぼちゃ団子も、初期に比べてどうも一個の大きさが大きくなってきた気がする。祖母の家で食べる何もかもが大きかったのもひょっとすると同じ理由だろうか。

 ともあれ、分厚いホットケーキはふかふかしてて幸せこの上ない。でも、もし坊がこの先、小さいホットケーキをたくさん重ねて食べてみたいといったら、子どもの心をわすれていない大人の一人として付き合って作ろうと思う。奴の場合は大きいホットケーキをたくさん食べたい、になりそうだけれど。

2021/10/05

キャロットケーキ

サラダオイル120g, 三温糖120g、卵2個、小麦粉160g、BP6g、シナモン、ナツメグ、オールスパイス少々、ニンジン170g(少し減らして別の果物などを入れても)、砕いたくるみ50gほど、レーズン50gちょい(なくても)、170度のオーブンで50分 

2021/08/31

閉塞感の原因と対処法をまとめてみる

  二度ワクチンを打って二週間経って抗体が付いたあとでもウイルスの運び屋になりうるらしいという知らせには、そこそこ尾を引くダメージを受けている気がする。びっくりするくらい早くに仰天するくらい効くワクチンが作られて、アメリカやイギリスで一年ぶりにハグしてる親子やオープンカフェでおいしいものを囲んでいる写真なんか流れて来てもどーせウチはまだまだなんでしょと思ってたら、周囲見てると秋口には終わりそう(*)。何とか逃げ切れたら重症化のリスクは減るだろう。でも運び屋になりうるなら、ワクチンを打った人同士で軽症を分け合う覚悟でしかマスクを外せないということになる。子どもは打てない。そううまい話があると思うなということらしい。

 この閉塞感は、マスクのせいなのか、ワクチンの副反応かその後の夏バテなのか(**)、自転車操業の前期が折角無事終わって研究が出来るのに、一日三食炊事し咀嚼し咀嚼させ皿洗いし運動し運動させ睡眠し睡眠させ洗濯し掃除し排泄し排泄させ、言葉をしゃべりだした息子は感動的な同居人だが、それをおいておいても日々の基調にある繰り返し、一回一回全く簡単にならず、別の難しさを繰り出してくるけれどこちらは目に見えて習熟したりすることもなく気まぐれに翻弄されるような繰り返しはたまに絶望的だ。

 そんで関東で、日本のどこかで、アフガニスタンで、人間が人間らしくない仕方で見殺しにされているニュースが堪える。

 まーしかし、私もここまでくると落ち込むののプロなので、大体解決策の方向性も心得ている。

 繰り返す日々に閉じ込められているような気分は、何も残せていないことが不安の一番の原因。研究をすればいい。しかもできるだけアウトプットの時間を多くとるといい。研究でない雑文でもいい。大事なことは後から見返すことのできる自分の手で作った成果であること。消えない方がいいから、この目的では料理や製菓ではない方がいい。ある程度時間と手間をかけたものが残るほうがいいので、この目的では買い物もあまり適さない。料理や買い物は別の目的では凄く良いときもある。

 家事が単調なのに時間を食うなら、時間をはかるといい。夕食のメニューを考える時間も計測する。無理やり可算的な尺度を導入することでスキルアップを可視化できるから充実感が違う。一人で実行できるものなら大体効く。坊と一緒のことだと、時間を気にするとイライラしてしまうので、別の手段をとって、「お手伝い」兼「遊び」にしてしまう。私がやるのは、私の方を出来るだけ複雑化し坊の方を単純にし、ハンディとルールをきめ細やかに設定すること。目的は二人が同じくらい楽しんでいるうちに仕事が終わるようにするという、ルール作りゲームである。私はおもちゃが部屋中に散らばっている状態からスタートして、坊はおもちゃで遊んだり掃除機に乗っかってバイク風にしたり、スイッチを押したり、箪笥の引出しの衣類を触ったり、掃除機かけのマネをしてみたりしているうちに、邪魔にされることなく玩具と本が片付き床は綺麗になる。このあたりは、もちろん毎回やる必要はないのだけど、だれてきて、なおかつ、いいかげんサボったり楽したり混沌を大目に見たりはもうできん!てなったときに導入するとちょっと華やぐ。

 それから漠然と世界や未来が怖い感じの時は、寄付することと、生活に必要なものを自分の手で作ること。寄付は、世界を少し優しいものにすることで自分がだいぶん楽になるというのと(あなたがこの世で見たいと願う変化にあなた自身がなりなさい byガンジー)、寄付金控除が受けられる方法であれば、政治への不満も少しだけ発散できるという利点もある。手作りは、全然一からではなくてもいい。ピザ作ったり、簡単なパンを焼いたり、お菓子を作ったり、衣類を繕ったり、簡単な玩具を作ったりする。そんなんでもきっと私は粉と水しかなくなったときに手打ちうどんでヒーローになれる。そういう気分になれる。本当はこういうときは野菜を育てたりしたいなと、戯れに家庭菜園付きの物件を探してみたり。

 (*)これは、ワクチンの有効性を理解するか信じて絶えずアンテナを張って郵便物を見逃さず親戚友人知人と情報交換して、インターネットに接続の上数桁の番号を間違えずに手打ちしながら情報を登録して予約フォームを正しく進むか数件電話をかけ続けたりして日程を確保し、仕事や育児の予定をやりくりして薬や食料をあらかじめ用意して、というのを本人か周りの人が出来てやっとこの時期で、正直フルタイムの仕事と家事育児と一緒にやってのけるのは結構狂気の沙汰だった。これで集団免疫はそりゃ厳しいだろうと思う。

(**)無論、政治の混迷の所為である。けどそっちは今やれることが限られているのだ。

2021/08/14

雨の下で

 仕事復帰して最初の夏学期が何とか無事に終わりそう(いくらなんでももう夏休みなのだけど、採点期限が盆明けなので終わった感じはない)、ひとまずここらでカーテンコールをして、まずまず健康で機嫌よく育っている坊からはじめて、夫、友人たちご近所たち、同僚の先生方職員さんたち学生さんたち、保育園の先生がたお友達たち、各お医者様たちお店の方たち、遠くの家族たち戦友たち、他、みんな順番に感謝とともに褒め称えたい気分です、なお特別賞はドラム式洗濯乾燥機に。
 毎日、毎週を終えるごとに少しほっとして、それまで緊張してハラハラしていたことを実感するような日々だが、視点を少し広くすれば今は県下に超災害級の豪雨が続いていて、私たちのいるところも雨に閉じ込められているよう。そして、いい加減長く続いていて、さらに今後も形を変えつつ長く続くであろうコロナとの闘い、個人レベルだと、いつまで持ちこたえられるか、逃げ切れるのか、という感じ。そして、連日のように、張り詰めて乾いた心に束子をこすりつけられるかのような、嫌なニュースや言葉を、見てしまう。
 文明の尺度というか、人間の人間的である所以の一つは、どれだけかけ離れた存在と共にあれるかだと考えている(というと抽象的過ぎるけど、共通の利益を考えられるか、くらいまでかみ砕いたっていいのかもしれない)。どれだけ視野を、射程を長く広くとれるか。どれだけ弱い(そのときは)(その状況下では)(一見)ものを守っていられるか。相手は人間存在に限らない。で、これは経済(暴走する資本主義のことではなく)とも、種の存続とも、また、宇宙の美しさと生命の多様性とも原則矛盾しないはずだ。
 これはひとまず自分に言い聞かせるように。傷ついている人が少なくあってほしい。誰も私たちを、あなたたちを傷つけることなんてできないのだから。

2021/06/28

『ピエタとトランジ』が素晴らしすぎて子のことを忘れてた話

 この週末は久々にワンオペだったのだけど、二人して体調がマシだったのもあってとても平和で、今朝も何となく余韻に浸っている感じでした。

 中でも藤野可織『ピエタとトランジ』読めたのが素晴らしかった。「こういうの」あんまりなかったし、現れてくれていたことが嬉しいし、もっと増えたら嬉しい。なんというか、一般的な意味ではないけど非常に道徳的な小説だと思う。昨今のリアル引きこもり生活からすると、流行性の他殺の蔓延で世界が引きこもりがちなあたりも微笑みを誘う。

 道徳といえば『ピーターラビット』で小さな生き物が戦闘手段の一つとして人間のアレルギー体質を利用してアナフィラキシーを引き起こさせるのは、単に爆破とかするより邪悪に思えるのはなんなのでしょう。ヒトが撃たれるより犬が撃たれるほうが残虐な映画になったりすることと通じるのだろうか。…などなどと想像を膨らませているうちに、太陽系が綺麗に破壊されたあたりで大学についたのだけど、なんと!

 坊まだ乗ってた!!

 うひゃ~、講義とか会議とかない日でよかったあ!ちなみに想像過活動と運転は割と両立するので(メモを取れないので研究には使いにくいけど)、場所と時刻柄もあって前後を介護施設の車に挟まれて制限速度マイナス5の安全運転なのもばっちり覚えてて、ちなみに今は昼休み時間なわけだけどこういう道徳はまあいいや。引き続き安全運転で無駄にプラス20分くらいドライブさせられた坊は、こっちも6時前からDバイク乗り回していたのでぽけーっとしつつ、左の靴を脱いで慎ましく抗議の意を表明していました。

2021/06/10

怒涛の日々のまっただなかハンドブレンダーを入手したのだ

  そんなことよりももっと色々報告すべきことがあるだろうといわれそうだ。何しろ前回の投稿が1月末である。その後、3月下旬に息子とともに尾道に移動し、保育園様の力を借りながら仕事に復帰している。

 勤め先は、実習の対面実施が優先なのもあって、緊急事態宣言の前から授業はオンラインでやっている。私は、なるべく対面の授業と同じライブ感が味わえる方がいいと思いリアルタイム配信。これは去年だったら学生の通信負担の観点から難しかったそうだ。育休中にちょこちょこCourseraの海外大学のネット講義とかつまみ食いしたり無料の範囲で真面目に履修してみた結果、動画&読み物の課題提示型(オンデマンド型)でそれなりの効果を得るには、かなり緻密な構成と準備と、教育工学とでも言ったらよさそうな専門知識が必要で、私一人じゃたぶん無理だなーと思っていたので、リアルタイムで出来てよかった。機器や通信トラブルが一番心配だったが、初回から3回分くらいは進度を犠牲にしてもゆっくり丁寧に対応し、GW前までには大体双方使い方には不安がなくなった気がする。去年度の経験者である上回生たちが協力的で、トラブルの時に助けてくれたのもありがたかった。対面の講義と比べると、反応が見えないのが詰まらないし、迫力を出すために身体全体を使えないが、淡々とまだ見ぬ観衆の興味を惹きつけなければならないのだ、と考えれば鍛えられていいかもしれない。また、芸術作品の図版などを受講生がみんな手元で綺麗に見ることができるし、受けやすい仕方でリラックスして受けてもらえるのはいいんじゃないかなと(一回マイクのミュートが外れてしまった学生の歌声が響いたときには苦笑してしまったけれど)。さらに、こちらとしては、課題へのコメントと返却、再提出の流れや課題からのデータ採取などがすべてクラウド上で出来るので、紙媒体よりも作業が楽なのに丁寧なフィードバックが出来るのは思わぬ副産物だった。

 とはいえ、反応は得られるものの常に画面を介しての日々、ちょっと一杯はもちろん、緊急事態宣言になってからは同僚と立ち話もなかなかしにくく、これは坊がいなかったらかなり寂しかっただろうと思う。

 そこで坊だが、前評判にたがわず保育園最初の2か月はほぼ週に一度以上のペースで病院にかかるはめになり、常に鼻かお腹おしりに不安がある状態だった。極めつけに五月の連休後にRSウイルス性の風邪というのにかかり、のどはぜーぜー、熱も上がって一週間保育園お休みに。私はまだ家にネットもなく、病児保育も「慣れてからぼちぼち探してみよう」くらいの悠長さだったので(なんか病気のときまで預けるのも可哀そうに思ったりしてなあ…)、やむなく休講にして一緒にお休みした。なお、坊が鼻の調子を崩すと決まって私も風邪気味になっていたが、このときも例外ではなくて、熱があろうが喉がぜーぜー言っていようが体を動かしたい坊と一緒にあちこち遊びながら、鼻も喉も絶不調の末、ついには嗅覚が効かなくなるというコロナ禍では超紛らわしい事態にまでなって、あれはきつかった。よほどきつかったみたいで、前後に疲労から腎盂腎炎とか膀胱炎とかも発症し、大変だった。あー、大変だった。

 という感じで「寂しくなんかないよ、楽しい我が家だよ」というよりは、あまりに怒涛のようで色々通常の感覚がふっとんでいる間に過ぎ去ったここ2か月というものでございます。

 ちなみに、保育園はとてもよくて、それはこのチャルダッシュな日々では非常に心強かった。普段接する先生や職員さんの対応が安心できるし、全体の空気感が明るい。内装や絵本の趣味がいいのもあるかもしれない。去年東京にいてあの状況だったのでとても保育園見学などできず、母親父親業の諸先輩の結構詳しい情報と、グーグルマップと、電話で問い合わせたときの感触、あとは立地などで直感的に決めたけど、間違わなかった気がする。

 ついでに言うと、育休中に時間を見つけて仕事をするときというのは、坊の昼寝中か就眠後に、多めに見積もっても90分ほどの時間、すでにリストアップした作業を一気に終わらせるなり、論文や発表の難所を考え尽くすなり、アイディアを出し続けるなり、というもので、そのノリで9時5時に仕事をしようとすると、集中しすぎかなんなのか頭の疲労もヤバいしその前に腰とか内臓とか色々身体がついていかないということが早い段階で判明した。産休前とかより使える時間の絶対量は減っているので、すぐに深い集中に入るなり、ブルトーザー的に事務処理をやるなりというのは悪くないのだが、とはいえ少し反省。復帰3週目くらいからは、時間を決めて休憩を取り、体の緊張を意識的に取り除くように気を付けている。結果的にはよくできた受験生みたいになっている。早寝早起きだし。

 そんなこんなでやっと慣れてきた最近になって、うちに登場したのがブラウンのハンドブレンダーである。ご冗談でしょう?って思いますよね、離乳食終わった時期になぜ?と。まあ、なぜかなと自分でも思うのだけど、「時が来た」という感じで手に入れて、これ、つぶせば美味しくなるというわけではないのが面白いところなので、これから美味しかったレシピはちょっとここに度々書いていこうかと思います。


基本バナナジュースと応用

バナナ2/3(朝、坊が半分食べるのでその残りと、1.5センチ幅に切って冷凍してあるやつ2切れ)・広島のレモンスライスの冷凍1/2-1枚・牛乳120-150cc

応用は、洗った小松菜や青梗菜を適当に加えたりすると色も綺麗で気分がよい。分量は葉っぱ3枚くらいから初めて、様子を見て増やすといい気がする。これも冷凍しておいてもよさそう。冷凍のものが何も入らないともったりと味がぼやけるので、冷凍ものを入れるのがいいが、あまり多いとそれはそれでお腹がびっくりするので調整する。レモンは国産をよく洗ってスライスしたものを冷凍しておくと、皮ごと入れて飲んでしまえて、少しの苦みも清涼感があってよい。

2021/01/30

うんにゃー(近況)

 えらいこと投稿があいてしまった。いつのまにか2021年ですよ。

 11月からこっち、壮絶にバタバタしながら日常が続いていて、とにかく忙しかった。研究関係の仕事をいくつかやって、それがメインではあったのだけれど、11月は子が腕にやけどをしてしまって三週間くらいみっちり病院通いしてたし、保育園の申し込みなどもして、12月には子の一歳のイベントもそれなりにやって餅しょわせたり写真館に行ってみたりなどもし、一つ仕事の終わった隙に夜間断乳を敢行したり、お忍びで尾道に行って家の様子をみたり車にチャイルドシートを取り付けたり子連れ旅行の難しさを実感したりし、年末年始には義父母に甘えて夫と半年ぶりのランチデート(前回は夏によしのラーメン)をしてみたりもした。

 諸々の忙しいのは大体はお昼寝中か夜寝かせた後に集中してやらなければならず、ただし夜気分が乗りすぎると次の日のお昼寝時間は自分の昼寝に充てなければならなかったりする。風邪をひいても休めないから風邪をひく前に休まなければならない、というのは、「予防」などという生易しい言葉ではなく「先制攻撃」あたりが相応しい。年末に夜間断乳したら、一気に使える時間が増えた。そうこうしながら午前中は公園か児童館で動き回り、夕方はうちで一緒に遊んだり、遊ばせながら出来る仕方で家事を消化したり、毎日はゆるゆると続いていて、一日が長いのに対して自分の自由に使える時間があっという間に濃密に過ぎていく感覚には、小中高時代なんかを思い出したりもした。それはそれでメリハリがあって悪くないし、とにかく坊の成長は日々胸を打つ。こんな短い期間に、驚異的なスピードでこの世界の生き物になっていくのだからまあ、周囲の人間としては「時空歪んでないかこれ?」くらいの感覚で巻き込まれるのは当然のことだよなあ、などとも思う。体質が色々変わった勢いで花粉症も引っ込んでいる気がするのは有難い話だけれど、日常生活より一段抽象度の高い語彙が壊滅的なので、四月からの授業がかなり不安。リハビリしなければ。