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2013/08/31

あ、まだちょっとあった!

 目覚ましなしで寝ていて気付いたら午後の1時だった。なんだかんだ、リズムが戻ってなかったんだな、と、改めて振り返ればこの一週間の身心の混乱も説明がつくようでほっとした。
 ゆるゆるとクルミパンをフレンチトーストにして(なんて贅沢!)遅すぎるブランチを済ませ、一通りの家の掃除をしてからホームセンターで自転車の空気入れを買った。京都では、街のあちこちにある自転車屋が暇そうな時にちょっと寄れば、あっというまに空気は入れてもらえるし、チェーンやブレーキを見てもらえた(流石にこちらは有料のことが多かったけれど)が、考えてみたら自転車の空気入れくらい自分で持っててよさそうなものだ。それから研究室用に瞬間湯沸かし器。

 そんなこんなで研究の方はさほど進まず、ミントティーで深夜お茶中である。アフタヌーンティーで買った薄い耐熱ガラスの細身のカップは、是非ともモロッコ風のミントティーに、と待つこと久し、晴れてパリのモノプリでモロッコ風ミントティーのティーバックを買いこんできて楽しんでいる次第。

 写真を初めて載せてみる。パリ三区のお店で頂いたスープ・ド・ポワソン(魚スープ)。サフランとニンニク、いくつもの魚介の丸ごとの風味が渾然となったドロドロしたものに、トーストと粉チーズ、多分アイオリ(サフラン、大蒜、酸味の少なめのマヨネーズの味がした)が添えてある。今回食べたものの中で一番美味しかったといってよいかも。

夜の果てで、八月が終わる

間があいてしまった。八月が終わる。
中旬の二週間、パリとロンドンで調査をしていた。
どちらも、目を開けていられないほど日差しが強いのに外気はひんやりとして、蒸し暑さだけで相当なストレスを受け続けなければいけない日本に比べてそれだけで身体も気持ちも随分楽だった。留学中は、ちゃらんぽらんしていても常に闘っていなければいけないような感覚があったが、今回は短期で目的がはっきりしているために焦る必要もメリットもなく、そうすると却って無駄にちゃらんぽらんにならずに淡々と作業が出来たのかとも思う。同時に、大分衰えて単語を思い出すのに半秒遅れることもしばしばになってしまったフランス語が、にもかかわらず皮一枚分くらい自分になじみやすいものになった気がした。例えば二年前は何が何でも発信しなければ沈黙させられている気分に近いものがあったが、その気がなければくつろいで無口でいられるようになる。あるいは慣れて、あるいは距離を置き過ぎたために鈍くなっているだけかもしれないけれど。滞在の後半を過ぎると、外国語ばかりの環境に身を置いていることに底知れぬ解放感を抱くようになってくる。
短い期間で我儘なスケジュールでしたが、会ってくださった皆さま、嬉しかったです。会えなかった方々には、また近いうちに(私の課題としてはそれまでに今回の成果を出したうえで)、楽しくおしゃべり出来ると幸いです。
帰りは初めてヨーロッパを夕方に発つ飛行機に乗り、夕食のサーモンのクリームソースペンネを頂きながら地平線に沿って地球の夜部分に忍び込んでいくのはなかなかドラマチックだった。
帰国して再び少し混乱している。