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2013/09/19

好みなんて全くもってアテにならん移ろいやすいものだが

 「小さな生き物」を聴いて、ああもうほんと、私スピッツだけは一生卒業できないわーと嘆息して幸せである。このしみじみとした実感さえもう何回目だろう。夜中に歌詞をソーシャルメディアにトランスクリプトする困った大人になってしまいそうだ。(実家で呆け過ぎたからか半沢直樹系ばかり読んでいたためか語彙が不自由だ…電波上の社交場に写字??)

 ちなみにスピッツと同じエントリーで書くのもナンだが池井戸潤、半沢直樹シリーズの原作者だが、母が入手していたのをいくつか読んだら意外にもとても楽しめた。意外というのは、そもそもエリートサラリーマンが金融(/メーカー)会社の男社会で権謀術数を繰り広げつつ経済を回し出世競争を勝ち抜いていったりするとか、あらすじから単語幾つか抜き出した時点で私にはちんぷんかんぷんなのである。でも、説明は手際よく、テンポも早いので不慣れでも入り込みやすいし、異世界を覗きみるようなマジックリアリズムな新鮮さが面白かった。ただ、三晩で四冊読んだのがいけなかったのか、悪役の造形が平板で主人公の心境の変化もやや似たり寄ったりな印象も。まあ、そのワンパターンもまた「それっぽい」というのか、現実の悪人は小説の中に続々登場してきてほしいほど色彩に富んではいない気がするからなあ~。出てくるの男ばっかりだし。でも脇役は味わいがあって、電車で「疲れたサラリーマン」みたいな人々をみてイメージを膨らませるのが楽しくなりそうだ。

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