Pages

2017/11/25

この甘くめんこい幸せよ永遠なれ

 お仕事で昼間微妙に拘束され、なおかつ夜になると研究室を追い出されるという逆風の中で締め切り仕事をしている。大人しく続きを書けばよいものをこうして妙なものをしたためだしたりするので、あまり私を逆境に放り込むのは得策ではないと常々言っている通りである。思えば私が大学~大学院の時って、入試やらなんやらのために図書館とか研究室が使えないという経験をした覚えがない。特に院生の頃は土日含めて結構入り浸っていたのに、こういう不便はなかったので、恵まれていたと思う。

 昼間、女の子たちが常温保存可能のレトロな紙パック珈琲牛乳のパッケージを見て「成分表示の一番上が砂糖だ!」と盛り上がっていた。うーん、事実は時に残酷ではあるけれど、常温保存可能で乳製品だったら牛乳そのまま使うわけにいかないし、まあ、砂糖が一番多くなるのはまだしも健全で良心的なのではないかしら。
 今さっき私が食べた、六花亭の「大平原」は、バター、卵、砂糖、小麦、と続く。
 マドレーヌやバターケーキの基本のレシピがバター:卵:砂糖:小麦粉=1:1:1:1。私が思うにここの配合のアレンジの妙に加えてみりんと生クリームがいい仕事をしているのだろう。六花亭の中では実に地味なお菓子なのだが、首都圏でバターの風味を謳ったどんなマドレーヌやフィナンシェよりも素直においしい。そして安い。特に、冷蔵庫から出してすぐのこつっとしたところを、温かい紅茶やホットミルクと頂くと、硬めの生地が口の中で少し抵抗した後でゆっくりと崩れるときに嫌味のないバターと卵の香りがふくらんで格別だ。

 唯一不満をおぼえるところが、ここ数年(だと思う)のパッケージ。昔はマルセイバターサンドもそうだったように銀のフィルムで簡単に包まれていたはずなのだけど、袋詰めを切って食べる方式に取って替わられてしまった。袋は簡単に開けられるのだけど、中身を取り出すときに引っかかって、黄金色のかけらが剥げ落ちてしまう。かといって、袋からそのまま食べるのはあまりに散文的であるし。六花亭のこと、多分のっぴきならぬ理由あっての変更ではあるのだろうけれど、いち消費者としては残念でならぬ。

No comments:

Post a Comment